突如現れた虫・虫・虫(コンポンチュナン州)
前回(突如現れた簡易遊園地)に引き続きコンポンチュナン州に住んでいた時の出来事です。
虫の大量発生
2015年6月のある晩、突如虫が大量発生。当時住んでいたのは1つの大きな部屋をベニア板で仕切った隙間だらけの部屋でした。部屋の電気に虫が集まってくるので、電気を消して外へ。椅子を持って外に出ましたが、虫の多さに無視できず、読書すらできませんでした。
この虫は不思議なことに時間が経つと羽を落として地面を歩き回ります。歩き回っているうちに蟻の餌食になったり、ゲッコーやカエルに食べられたり。当時、教員宿舎には夜だけ学生が宿泊していました。学生はバケツに虫を拾い集め、「掃除してくれて助かるな~!」と思っていたら、次の日、学生の手には虫が。「先生!おいしいです!」と言って食べていました。
カエルもお腹いっぱいで大喜び。この大量発生は3日後にぴたりと止まりました。この虫の大量発生はタイやフィリピンでも見られるようです。
関連書籍
地球の歩き方 アンコール・ワットとカンボジア 2017~2018
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突如現れた簡易遊園地(コンポンチュナン州)
カンボジア生活4ヵ月目の2015年7月、田園風景が広がるコンポンチュナン州の田舎に住んでいた時の出来事です。家から徒歩5分の所に突如簡易遊園地が現れました。カンボジア人に誘われたので行ってみることに。
カラフルな観覧車
まず目に入るのはカラフルな観覧車。以前から道路を通るたびに観覧車の設置の様子を見ていましたが、あっという間に完成していたので驚きました。
もちろん安全基準など皆無ですが、恐れていたら何も経験でいきないと思い乗ってみることに!鉄のかごの中は狭く、大人4人では下半身を動かすことはできません。驚くことに観覧車の指揮をとっていたのは少年でした。
乗って分かったのは、とにかくスピードが速いということ。観覧車ではなく恐怖のジェット観覧車です。終始「落ちたらどうしよう」「ボルトが外れたらどうしよう」と考えていました。
観覧車の乗車価格
価格は1人1,000リエル。日本円で30円です(4,000リエル=1ドル=120円)。カンボジアでは缶コーラが1本2,000リエルなので、その半分の価格で乗ることができます。この恐怖のジャット観覧車に2回も乗せられました。
簡易遊園地について
この簡易遊園地は期間限定で、カンボジア人によると早くて3日、長くて2週間程で終わってしまうそうです。「街灯もないこの村にこんなに人がいたの?」というくらい賑わっていました。
観覧車の他にはメリーゴーランドやトランポリン、風船割りなどがあります。もちろんカンボジア人には大音量の音楽が欠かせません。19時から22時くらいまでずっとお正月のように大音量の音楽が鳴り響いていました。
関連書籍
地球の歩き方 アンコール・ワットとカンボジア 2017~2018
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カンボジアの道路事情(国道5号線)
カンボジアで日本語教師をしていた私は、カンボジア滞在中(2012年3月~2016年12月)の約6ヵ月間をコンポンチュナン州の田舎で過ごしました。コンポンチュナン州は首都プノンペンの北に位置する農業や漁業が盛んで、伝統的な陶器生産で有名な州です。
週末は気温40度を超える中、用事を済ませるために約50km離れたプノンペンとコンポンチュナンをバイクで往復していました。利用する道路は国道5号線です。
国道5号線
国道5号線、国道なのできちんと整備させていると思ったらそれは大間違いです。国道5号線をはじめとするカンボジアの多くの橋や道路は、1991年まで続いた内戦により破壊され、内戦終結後は国際社会の支援を受け修復が進められてきました。しかし現在では、応急修復箇所の劣化による改修作業が課題となっています。
この国道5号線は2003年以降アジア開発銀行(ADB)により整備が進められてきましたが、それはすべて簡易舗装(応急処置)によるものでした。私が頻繁に国道5号線を利用していた頃(2015年)は、道路に大きな穴がいくつもあいていて、波打っている箇所がいくつもありました。まさに「悪路」です。この悪路を、容赦ないスピードで砂埃をあげながら車が走っていきます。何度も死にかけました。
アジアハイウェイ
この国道5号線、実は「アジアハイウェイ1号線」の一部でもあります。
アジアハイウェイ1号線とは?
日本の東京からトルコ・ブルガリアの国境までの計14カ国、約2万1千キロを結ぶ路線のことです。アジアハイウェイは、国際間の経済及び文化の交流や友好親善を図り、アジア諸国の平和的発展の促進を目的としています。
つまりカンボジア国内だけではなく日本を含む「アジアの発展」につながる重要な道路なのです。
日本の援助
政府開発援助(ODA)の実施機関である国際協力機構(JICA)はカンボジア向け円借款契約に調印していて、その対象事業の1つに「国道5号線(プレッククダム−スレアマアム間)改修」をあげています。対象地域にはコンポンチュナン市街、また私が住んでいた場所から比較的近いウドン市街も含まれています。
最後にこの国道5号線を利用したのは2016年9月。舗装が終わった区域もあり、インフラが整備されていく様子に驚き感動しましたが、改修終了にはまだ時間がかかりそうです。
関連書籍
地球の歩き方 アンコール・ワットとカンボジア 2017~2018
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参考ページ
・国土交通省「アジアハイウェイとは」
http://www.mlit.go.jp/kokusai/kokusai_tk3_000071.html
・独立行政法人 国際協力機構「カンボジア王国向け円借款契約および贈与契約の調印」
https://www.jica.go.jp/press/2014/20140710_01.html